合理的配慮とは

障害のある人と無い人が、対等に社会参加するために

定義

合理的配慮 (Reasonable Accommodation)

障害のある人が、他の者と同等の機会を得るために、必要に応じて提供される調整や変更。

📋 法的背景

日本: 障害者差別解消法 (2016年施行)

民間企業に対して、障害者への合理的配慮は「努力義務」。2024年の制度改正により、法的に「義務化」へ移行。

国際: UN障害者権利条約 (UNCRPD)

日本を含む165カ国が批准。「合理的配慮」は基本的人権として規定。

ポイント:

  • 「特別扱い」ではなく、「対等な参加」の実現
  • 「過度な負担」でない範囲での対応
  • 個人ごと・状況ごとに異なる

なぜ重要か

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当事者の視点

配慮がないと、能力があっても「参加できない」状態になる。適切な配慮により、本来の力を発揮できます。

🏢

企業・組織の視点

適切な配慮で、優秀な人材が活躍できる環境に。多様性向上、離職防止、生産性向上を実現。

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社会の視点

インクルーシブな社会は、すべての人がとってより良い社会。12億人の障害者が活躍できる世界へ。

具体例

例1: 発達障害 × 営業職

困りごと

顧客対応時に、会議の流れを予測できず、パニックになる。

配慮の例

  • • 事前の顧客情報提供
  • • ロールプレイの練習時間
  • • フィードバック会議の定期開催
✅ 結果
本人のペースで対応でき、営業成績向上。

例2: 身体障害 × リモートワーク

困りごと

通勤時の移動が困難。朝の支度に時間がかかる。

配慮の例

  • • 週2リモートワークの確保
  • • コアタイムの柔軟化
  • • ヘルパー雇用の支援
✅ 結果
集中力向上、出勤日数減でも生産性向上。

例3: 聴覚障害 × ミーティング

困りごと

複数人のミーティングで、誰が話しているか判断しにくい。

配慮の例

  • • 手話通訳の配置
  • • 字幕の自動生成
  • • 事前資料の配布
✅ 結果
情報へのアクセス平等化、意思決定に参画可能に。

よくある誤解

❌ 誤解
「特別扱い」をしている
✅ 正解
「対等な参加」を実現している

健常者と同じルールでは対応できない状況を、その人が健常者と対等にできるような調整をしているだけ。これは「特別扱い」ではなく、「対等」を実現する手段です。

❌ 誤解
「過度な負担」になる
✅ 正解
「合理的な範囲」での対応

法律では「過度な負担」を考慮します。企業規模、財政状況、実現可能性を考慮して、バランスの取れた配慮を求めています。

❌ 誤解
「画一的」で変わらない
✅ 正解
「個人ごと」「状況ごと」に異なる

同じ障害者でも、個人差は大きい。職場や学校など状況が変われば、必要な配慮も変わります。当事者と支援者が対話して、最適な配慮を決めることが重要です。

配慮を「言語化」することから始まる

InclusiBridgeは、当事者と支援者が対等に配慮を作り上げるツールです。

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